「りんごはすぐに茶色くなっちゃうから、切ったら塩水に漬けておきなさい」と母に良く言われました。自分で食べる分には、変色など気にしませんが、お客さんに出す時やお弁当などで、長時間持ち歩く時は、やっぱり変色しないようにしたいものです。
そんな、りんごの変色を防ぐ方法は、塩水に漬けたり、レモン汁をかけるのが有名です。しかし、どちらも味が変わっちゃうので、好きじゃないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私も個人的にあまり好きじゃないので、これだったら変色したりんごを食べた方が良いとさえ思っています。そこで、りんごの変色を防ぐ方法が他にもないか調べてみたところ、たくさんあることが分かりました!
そこで、今回はりんごの変色を防ぐ方法を塩水やレモン汁を含めて、色々と紹介して、それぞれの方法を比較してみたいと思います!
目次
りんごの変色を防ぐ方法
それでは、早速、りんごの変色を防ぐ方法を紹介します。調べてみると実は結構たくさんあることが分かりました。
- 塩水
- レモン汁(ビタミンC)
- 砂糖水
- 蜂蜜
- クエン酸
- 水に漬けっ放しにする
お馴染みのものも含めて、これらの変色防止方法を順番に説明していきますね!
塩水
まずは定番中の定番である。塩水に浸ける方法です。
やり方は簡単です。薄い塩水を作って、その塩水にりんごを浸すだけです。塩水の作り方は以下です。
水200ml(1カップ)に塩一つまみ(0.4g~0.8g)程度を入れる。りんご1個を浸すくらいなら400mlくらいが、ちょうど良いので、りんごの量によって、塩水の量は要調整。
この方法は変色を防ぐ力は高いのですが、味がしょっぱくなってしまうという致命的な欠点があります。
レモン汁(ビタミンC)
こちらも定番の方法です。りんごにレモン汁をかける方法です。
やり方はカットしたりんごにレモンを絞りかけるだけです!多少酸っぱくなりますが、そんなに違和感を感じません。
この方法の場合、変色を防止する役割を果たしているのは、ビタミンCなので、同じようにビタミンCが豊富に含まれている果物や野菜の汁でも代用できます!
この方法の欠点は変色を防いでいられる時間が、少し短いことです。
砂糖水
りんごが変色する理由は、りんごのポリフェノールが酸化して茶色くなってしまうことが理由です。(りんごが変色する理由は、後で詳しく説明します)
つまり、りんごの断面を空気に触れないようにすれば変色を防ぐことができるのです。りんごの断面を空気に触れないようにするために有効なのが、砂糖水です。
砂糖水はりんごの表面を覆って空気に触れるのを防いでくれるのです。
りんごの変色を防止するための砂糖水は次のようにして作ります。
水200mlあたり、大さじ1の砂糖を入れて良くかき混ぜる。
非常に手軽ですが、時間と共に砂糖のコーティングが剥がれてしまい、変色してしまうのが欠点です。
蜂蜜
実は最強の変色防止方法が蜂蜜です。
蜂蜜にはりんごを変色させる酵素の働きを防ぐ効果があるため、変色防止効果が最も高いのです。更に砂糖水と同じように、りんごの断面を保護して、空気に触れるのを防いでくれるので、ダブルの変色防止効果があります。
りんごの変色防止用の蜂蜜水は次のようにして作ります。
水200mlあたり、大さじ2の蜂蜜を入れて良くかき混ぜる。
しかし、変色防止のために蜂蜜を使うのは、なんとももったいないですよね!そこで、味はだいぶ甘くなってしまいますが、蜂蜜をりんごの表面に塗るというのも、おすすめの方法です!
クエン酸
実はクエン酸にもりんごのポリフェノールの参加を防止する効果があります。
やり方は簡単です。クエン酸水にりんごを浸すだけです。
りんごの変色防止用のクエン酸水は次のようにして作ります。
水200mlあたり、小さじ1のクエン酸を入れて良くかき混ぜる。
お菓子やお弁当に入れるような、業務用に大量に使う場合は、この方法で変色防止処理をしています。クエン酸も体に全く無害です。
しかし、この方法の欠点は、家庭でやる際にわざわざクエン酸水を作るのが面倒くさいことです。更にはレモンなどの柑橘系の果物には、ビタミンCもクエン酸も豊富に含まれているため、そっちを使った方が手っ取り早いです!
水に漬けっ放しにする
最後は意外な方法ですが、ただの水に浸しておくという方法です。既に説明した通り、りんごは酸素に触れると変色するので、水に浸しておいて、空気に触れないようにするのです。
あと食べる直前に水から出して盛り付けるだけです。
この方法の欠点は、水から出せばその瞬間から変色が始まるということです。お弁当に入れたりするりんごには、全く使えないので、ご注意ください!
さて、ここまではりんごの変色を防止する方法を紹介してきました。しかし、そもそも、りんごはなぜ変色するのでしょうか?
次はりんごが変色する理由を説明します。
りんごが変色する理由
りんごを切ると断面が茶色く変色するのには、3つの物質が関係しています。
その物質とは次のものです。
- 酸素
- ポリフェノール
- りんごの酸化酵素
空気中の酸素です。
ポリフェノールは、植物全般に含まれる物質です。りんごの変色に関係するポリフェノールはエピカテキンやクロロゲン酸という物質です。
りんごにはオキシダーゼという酸化酵素があります。このオキシダーゼがポリフェノールと酸素を結び付けて酸化させます。
りんごの変色には、この3つの物質が関わるのですが、逆に言えばこのうちのどれかが欠ければ、りんごは変色しません。
例えば、塩はオキシダーゼ自体の働きを妨げ、レモン汁やクエン酸は酸素を奪い取って酸化を防ぎます。そして、砂糖水は空気に触れるのを防いでいます。
ここまでに紹介した方法は全て、この3つの物質のどれかの働きを邪魔しているわけです。
つまり、そのことを踏まえると、実はりんごの変色を防ぐもっと良い方法があるのです!最後にその方法を紹介します。
りんごの変色を最小限にする切り方
りんごの変色の原因になるポリフェノールと酸化酵素は、りんごの細胞の中では、別々の場所に存在ます。そのため、普段はポリフェノールも酸化酵素も触れ合うことがないため、変色するようなことはないのです。
しかし、包丁で皮を剥いたり、切ったり、手で断面に触れたりすると、りんごの細胞が壊れてしまいます。この時に初めてポリフェノールと酸化酵素が触れ合うため、茶色く変色するのです。
つまり、壊れる細胞を最小限に食い止めると、塩水や蜂蜜ほどではありませんが、りんごの変色をかなり防ぐことができます。
というわけで、りんごの変色を最小限に食い止める切り方を紹介します。
- 切れ味の良いナイフか包丁を準備する
- 必要な大きさ、形にカットする
- 中心の種の部分を除去する
- 最後に皮を剥く
とにかく切れ味の良いナイフか包丁を準備しない事には始まりません!そして、なるべくりんごの断面に触れないようにして、カットから皮剥きまで済まします。
私の場合は、最後に皮を剥く方が、断面に触れる時間を少なくできるので、この手順を紹介しました。しかし、断面に触れる時間を少なくすることが大事なので、自分のやりやすい手順で剥くことをおすすめします!
まとめ
今回はりんごの変色を防ぐ方法を紹介しました。色々あって分かりにくかったと思います。
そこで、それぞれのメリット、デメリットが分かるように表にまとめてみました。
方法 | 味 | 効果 | 実用性 | 備考 |
---|---|---|---|---|
塩水 | × | ○ | △ | 何よりも味に難あり |
レモン汁(ビタミンC) | △ | △ | △ | 変色防止持続時間が短い |
砂糖水 | ○ | △ | ○ | 味も良く手軽 |
蜂蜜 | ○ | ○ | △ | 蜂蜜がもったいない |
クエン酸 | △ | △ | × | レモン汁で代用できる |
水に漬けっ放し | ○ | × | △ | 持続時間が短い |
切れ味の良い包丁 | ○ | △ | △ | 切れ味の良い包丁とテクニックが必要! |
個人的には、りんごの断面に蜂蜜を塗るのが良いんじゃないかと思ってます。凄く美味しそうですしね(^_^)
皆さんも目的に応じて、りんごの変色を防止する方法を使い分けてみてくださいね!