ごぼうはちょっと地味なイメージの野菜です。煮物などでよく使われる野菜で、独特の土臭い香りが特徴のどちらかというと脇役的な食材です。
「私はごぼうが大好物です」という人は、あまりいないと思います。しかし、管理人の私はごぼうが大好きです!あの土臭い香りが非常に好きで、きんぴらごぼうや煮物などにして食べるのが大好きです。
特に煮魚に入れるのが好きで、ごぼうの香りが魚の臭みも消してくれて一石二鳥です!
そんなごぼうの栄養といえば、食物繊維が有名です。でも、それ以外の効果ってあまり聞かないですよね?どちらかというと、それ以外にはなんの栄養も無さそうなイメージじゃないでしょうか?
でも、実はごぼうには様々な栄養素が含まれていて、とっても素晴らしい健康効果があるのです!いったいどんな健康効果があるんでしょうか?
というわけで、今回はごぼうに含まれる栄養の効果についてお伝えします。
目次
ごぼうの栄養素一覧
ごぼうというと地味で脇役的なイメージを持つ人が多いと思います。ごぼうの栄養素と言っても、食物繊維くらいしか思いつきません。しかし、地味ながら凄い栄養素が含まれているのです。
まずはごぼうに含まれている栄養素を見てみましょう。
名称 | 100gあたりの数値 |
---|---|
カロリー | 72Kcal |
炭水化物 | 17.34g |
食物繊維 | 5.70g |
脂肪 | 0.15g |
タンパク質 | 1.53g |
クロロゲン酸 | 230.00mg |
ビタミンB1 | 0.01mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンB3 | 0.30mg |
ビタミンB5 | 0.32mg |
ビタミンB6 | 0.24mg |
ビタミンB9 | 23.0μg |
ビタミンC | 3.00mg |
ビタミンE | 0.38mg |
ビタミンK | 1.6μg |
カルシウム | 41.00mg |
鉄 | 0.80mg |
マグネシウム | 38.00mg |
マンガン | 0.23mg |
セレン | 0.7μg |
リン | 51mg |
カリウム | 308.00mg |
ナトリウム | 5.00mg |
亜鉛 | 0.33mg |
この表から分かることは、ごぼうは食物繊維とミネラルが豊富ということです。一方でビタミンはお世辞にも多いとはいえません。では、ごぼうには具体的にどのような健康効果があるのでしょうか?
実はごぼうの素晴らしい健康効果の中心はイヌリンという水溶性食物繊維やここには書いてないクロロゲン酸というポリフェノール、そして、カリウムとマグネシウムです。
というわけで、次からはこの4つの栄養素に絞って健康効果を見ていきましょう!
ごぼうの健康効果
ごぼうの健康効果には次のようなものがあります。
- 食物繊維による整腸作用
- クロロゲン酸の抗酸化作用
- カリウムの利尿作用
- マグネシウムの代謝促進作用
ごぼうのこれらの健康効果がどれくらい凄いのか、掘り下げて見ていきましょう!
食物繊維の整腸作用
ごぼうに含まれる栄養の筆頭はなんといっても食物繊維です!食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があります。
それぞれの健康効果を順番に見ていきましょう。
水溶性食物繊維
ごうぼうにはイヌリンという水溶性食物繊維が多く含まれています。イヌリンは腸の中の細菌のバランスを整える働きがあります。
腸の中には、人間の害になる腐敗物質を作り出す悪玉菌と、人間に有益な栄養素を作り出し悪玉菌を減らしてくれる善玉菌が住んでいます。イヌリンは善玉菌の餌になるため、腸の中の善玉菌を増やす効果があります。
腸の中で善玉菌が増えると次のようなメリットがあります。
- 善玉菌がビタミンを作ってくれる
- 善玉菌が短鎖脂肪酸を作ってくれる
- 悪玉菌が作る食中毒の原因となる毒素や腐敗物質が減る
善玉菌が水溶性食物繊維を食べるとビタミンB群を作ります。ビタミンB群は健康な皮膚や粘膜を作ったり、筋肉や内臓の機能を正常に保つなど、健康であるために必要不可欠な栄養素です。
善玉菌はビタミンB群だけでなく、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸を作ってくれます。短鎖脂肪酸は内臓の活動のエネルギー源として使われ、体の代謝機能を正常に保ちます。
悪玉菌は食中毒の原因になる毒素やおならの悪臭のもとになる腐敗物質を作ります。これらの物質の一部は腸から吸収され、血液にのって全身に回り、皮膚から排泄されます。その結果、吹き出物や肌荒れ、皮膚炎を引き起こすのです。しかし、善玉菌が増えると腸の中が酸性になります。悪玉菌は酸性の環境では生きることができないため、腸内環境が改善するのです。
腸の中で善玉菌が増え、悪玉菌が減ると、様々な健康効果が出てきます。これ以外にも疲れにくくなったり、風邪やインフルエンザにかかりにくくなったり、口内炎予防になったりと、実に様々な利点があります。
地味ですが、ごぼうに含まれるイヌリンの力は凄いのです!
不溶性食物繊維
ごぼうにはセルロースとリグニンという不溶性食物繊維が多く含まれています。セルロースとリグニンには次のような効果があります。
- 悪玉菌が作った腐敗物質や毒素を吸着する
- 悪玉菌自体を吸着する
- 水分を吸って膨張することで腸を刺激し、排便を促す
悪玉菌の作る腐敗物質や毒素、腸の中の老廃物などを吸着して、便として排泄してしまいます。
不溶性食物繊維は悪玉菌自体も吸着して排泄してしまうため。悪玉菌を減らす即効性があります。
不溶性食物繊維は、腸の中の害のあるものと一緒に水分を吸収して膨張します。膨張した不溶性食物繊維は腸を刺激して、排便を促します。
不溶性食物繊維は腸の中の悪い物を吸収して綺麗に掃除する働きがあります。そして、最後に排便を促し、悪い物を全て排泄してしまいます。不溶性食物繊維には強い便秘の改善効果があります。
悪玉菌が多い腸内環境の人は、ウンチやおならが臭くなり、肌荒れや皮膚炎なども起こります。腸の中の状態は隠すことができないため、不溶性食物繊維で腸の中を綺麗に掃除してしまいましょう!
私の場合もごぼうを食べた後は、非常にお腹の調子が良くなります。翌日にはうんちもスッキリ出てしまうくらい効果が抜群です。
そんなごぼうの食物繊維の凄さについてはこちらの記事に更に詳しく書いているので、良ければご覧ください!
⇒ ごぼうの食物繊維の種類!水溶性と不溶性のコラボが凄い!
クロロゲン酸の抗酸化作用
ごぼうにはコーヒーにも含まれるクロロゲン酸というポリフェノールが多く含まれています。このクロロゲン酸には次のような効果があります。
- 抗酸化作用
- 脂肪燃焼効果
人間の体内で常に発生している活性酸素は細胞を傷つけ、人間の体を老化させます。クロロゲン酸には強い抗酸化作用があるため、細胞を活性酸素から守り、体の老化を防ぎます。
細胞の中のミトコンドリアは脂肪を燃焼させて、人間が生きるためのエネルギーを作り出します。クロロゲン酸はミトコンドリアの活動を活発にしてくれるため、脂肪燃焼の効率を上げてくれます。
活性酸素は人間が活発に活動すればするほど、たくさん発生します。クロロゲン酸は人間の体を活性酸素から守ってくれ、脂肪燃焼効率を上げて、疲れにくくしてくれます。
クロロゲン酸は頑張って忙しく生きている人の味方なのです!
ごぼうとアンチエイジングの関係
ここまで食物繊維とクロロゲン酸の健康効果について見てきましたが、これらの効果は実は体を若々しく保つために効果的なのです!
つまり、ごぼうはアンチエイジングにとても効果的なのです!
- 水溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維
- クロロゲン酸
水溶性食物繊維は、肌のトラブルの原因となる腐敗物質を作る悪玉菌を減らす効果があります。そのため、お肌の調子を整え、若々しさを保つことができます。
不溶性食物繊維には、お肌のトラブルの原因の悪玉菌と悪玉菌の作る毒素と腐敗物質を全て綺麗にしてくれる効果があります。その結果、お肌の調子が良くなるため、美肌効果があります。
クロロゲン酸は細胞の老化を防ぎ、脂肪燃焼効果によるダイエット効果もあるため、体を若々しく保つアンチエイジングの効果があります。
ごぼうにはイヌリンとセルロースの両方が豊富に含まれているため、野菜の中でもトップクラスの整腸作用があります。この両方の食物繊維の働きで、腸内環境が改善して悪玉菌を減らしつつ、腸の中も綺麗にお掃除できるので、美しいお肌を保つことができるのです!
そして、クロロゲン酸は体を老化から守ってくれるため、まさにアンチエイジングのために必要不可欠なのです!
カリウムの利尿作用
ごぼうには、100gあたり308mgのカリウムが含まれています。
カリウムが多く含まれている食べ物としてすぐに名前が上がるのは、バナナやりんごです。しかし、バナナでも100gあたり360mg、りんごなら100gあたり110mgのカリウムしか含まれていません。
あまりイメージがありませんが、実はごぼうには豊富なカリウムが含まれているのです。このカリウムのお陰でごぼうには利尿作用があります。
尿の量が増えると、体のむくみが解消されます。また、カリウムには体内の余分な塩分を排泄する働きもあるため、血圧を正常な数値に下げる効果もあります。
マグネシウムの代謝促進作用
ごぼうにはマグネシウムも豊富に含まれています。
その量は100gあたり38mgで、野菜の中でもベスト10に入るくらいの豊富な量です。
マグネシウムは体の正常な代謝機能のために欠かせないミネラルです。
ざっと上げただけでも次のような働きがあります。
- 骨が作られるのを促進する
- 心臓の筋肉の収縮を助ける
- 脂肪の代謝を促進する
- タンパク質の合成を助ける
マグネシウムには一言で言い表せないほどの様々な働きがあります。
もし、マグネシウムが不足すると、骨がもろくなったり、心臓の不整脈が起きたり、脂肪の塊が血管に付着して動脈硬化を起こしたりします。
地味なのですがごぼうには、野菜の中でも多くのマグネシウムが含まれているため、このような生活習慣病を防ぐ働きがあるのです。
というわけで、ここまでは、ごぼうの栄養素の優れた健康効果について見てきましたが、肝心のこれらの栄養素を効果的に取ろうと思った時に注意しなければいけないポイントがあります。
最後にごぼうを調理する時の注意点について見ていきましょう!
ごぼうの効果的な食べ方
ごぼうはあくが多い野菜というイメージがあります。しかし、私たちがあくだと思っている物質こそ、ごぼうの重要な栄養素であるイヌリンやクロロゲン酸なのです!
実は最近ではごぼうはあく抜きし過ぎない方が良いというのが常識なのです!そんな最近の常識を踏まえた、ごぼうを調理する際の注意点は次の2つです。
- 水にさらし過ぎない
- できれば表面積が多くなるように切る!
水にずっと漬けておくと水溶性食物繊維であるイヌリンが水に溶けだしてしまいます。また、クロロゲン酸も水溶性のため、どんどん溶け出してしまいます。切ったごぼうはすぐに水に漬けずに、全部切り終わった後にさっと4回~5回程度水洗いする程度で十分です!
ごぼう自体は繊維質の野菜なので、基本的に消化はそれほど良くありません。ごぼうに含まれるイヌリンとクロロゲン酸はごぼうの断面から外に溶け出すため、なるべく小さく切って表面積を多くすることで、腸の中でイヌリンとクロロゲン酸が多く溶けだして、効率的に吸収することができます!
ごぼうを調理する時は、下処理の際はできるだけ栄養素が溶け出さないように注意し、食べた後に栄養素が多く溶けだすようにすることがポイントなのです!
ごぼうの下処理の方法については、こちらの記事に更に詳しく書いたので、良ければ参考にしてみてください!
⇒ ごぼうのあく抜きはしないのが正解!不要の理由と正しい下処理のやり方!
ごぼう茶では不十分な理由
そんな健康効果の高いごぼうですが、食べるためには、皮をこそげ落とす必要があり、何かと下処理が面倒です。いくら健康効果があると言っても、毎日食べるのは面倒ですよね。
そのためなのか、世の中にはごぼう茶なんてものも存在します。乾燥させたごぼうを乾煎りしたものです。飲むときにはお湯を入れて成分を抽出します。
体にも良いとされて、とても人気があるようですね。
でも、実はごぼう茶ではごぼうの健康効果を十分に発揮することができません!
ごぼうの整腸作用には、不溶性食物繊維の働きが欠かせませんが、ごぼう茶では不溶性食物繊維を取ることができません。また、イヌリンやミネラルも通常は細胞の中に存在するため、お湯を入れただけでは、完全に抽出されないのです。
やっぱり、ごぼうは直接食べるのが最も健康効果を発揮します!
そこで、おすすめなのが、冷凍保存しておくことです。やり方は次のようにすれば簡単です。
- ごぼうの皮を包丁の背でこそげ落とす
- ささがきやくし切りなど用途に合わせて切る
- ボールに入れた水で数回洗う
- 水をよく切り、キッチンペーパーなどで水分を拭き取る
- ジップロック等に入れて冷凍する
私の場合もごぼうを使う時にいちいち下処理をするのは面倒なので、たくさんごぼうを買ってきて、いっぺんに下処理してたくさん冷凍しています。
こうしておくと面倒なした処理の手間も省けますよ!
まとめ
ごぼうは繊維質ばかりの野菜で、あまり栄養が無いイメージですが、実は野菜の中でトップクラスの整腸効果があります。
最近では腸内環境が様々な病気に深く関係していることが分かってきています。健康な体の基本は腸内環境にあると言っても過言ではありません!
また、ごぼうのポリフェノールであるクロロゲン酸は強い抗酸化作用があるため、体の老化を防ぎます。
そして、以外にもごぼうはミネラルが豊富な野菜です。利尿作用や血圧を正常にする効果、体の代謝機能を整える効果などもある野菜です。
これらの健康効果を最大限に活かすためには、ごぼうはあく抜きではなく、さっと洗うこと、そして、ささがきなどにして、表面積をなるべく多くすることを意識して調理してみてください!
面倒なした処理も一度にたくさんやって冷凍保存しておくと楽なので、是非、ごぼうを積極的に食べてみてくださいね!