私は小さい時の果汁30%くらいの甘いオレンジジュースが好きだったのですが、ある日、果汁100%のオレンジジュースを同じくらい甘くしようと考えて砂糖を入れてみました。しかし、少しくらい入れても、全然甘くならず最終的にもの凄い量の砂糖の量になって、子供心に恐ろしさを感じたことがあります。
大人になった今、ジュースやコーラなどの清涼飲料水を飲んでいて、ふとその時の事を思い出し、ジュースなどの清涼飲料水にどれくらいの砂糖が入っているか調べてみたところ、衝撃の事実が分かりました!いや、子供の頃のあの経験から、むしろ分かっていたはずなのに、その事実から目を背けていただけなのかもしれません…。
というわけで、今回はジュースに入っている砂糖の含有量を計算する方法をお伝えします!
目次
ジュースに含まれている砂糖の調べ方
ジュースに含まれている砂糖がどれくらいかは、パッと見では分かりません。糖分がどれくらいの量入っているかは表示されてないからです。
しかし、実は糖分がどれくらい含まれているかを知るのはとても簡単です。まずは砂糖がどれくらい含まれているか知る方法をお伝えします!
砂糖の含有量を知るには?
ジュースなどの清涼飲料水の成分表示には栄養成分表示というものが書いてあります。そして、その中には炭水化物という項目があります。
炭水化物は砂糖も含めた糖質の総量を示している数値です。通常は糖類以外にも、体に吸収されない食物繊維などの、ノンカロリーの成分も含まれます。
しかし、清涼飲料水の中でも、植物性の原材料がほとんど使われてない商品の場合は、炭水化物の量≒糖質の量ということに、ほぼなってしまいます。
この前提を基にした、糖質を計算する公式がこれです。
[内容量]÷[単位量]×[単位量当たりの炭水化物の量]=全体の砂糖の量
※食物繊維などが豊富に含まれている飲み物は、この公式は必ずしも当てはまらないので、ご注意ください。
例えば下の画像は某大手、清涼飲料水メーカーが販売している炭酸飲料の栄養成分表示ですが、その中に炭水化物という表示があります。この公式を使って計算すると、この商品の場合は、100mlあたり11.6gで、内容量は500mlなので…
500÷100×11.6=58
1本飲むと58gの炭水化物を取ることになるわけです。58gというのがどれくらいの量かというと、主にコーヒーや紅茶に入れるために使う、市販のスティックシュガーの内容量が、1本3gなので、58gというのはスティックシュガー19本分以上です!
更に下の画像は果汁15%のオレンジジュースの成分表、そしてその下が野菜ジュースの成分表です。同じ計算方法で砂糖の量を算出すると、オレンジジュースの方は1本500mlあたり53g、そして野菜ジュースの方は1本270mlあたり26.3gの砂糖です。
しかもオレンジジュースの方は、成分表に書いてある名前の半分以上が砂糖や人工甘味料です。これはもはや香りと酸味を付けただけの砂糖水と言っても過言ではありません!
そして、下の画像の商品は特定保健用食品にもなっている、ある乳酸菌飲料の成分表です。この商品の場合は、65mlあたり9.8gの炭水化物で、内容量は500mlなので、1本飲むとなんと75gです!スティックシュガー25本分です!それでもこの商品はトクホなんですよ…。
また更に下の画像はインフルエンザ予防に効果があると大変ヒットしている乳酸菌飲料の成分表ですが、1本112mlで8.7gの炭水化物なので、こんな小さなボトルにスティックシュガー3本分近くの糖分が含まれているのです!インフルエンザ予防と引き換えにメタボになってしまいます…。
この通り、世の中で売っているジュースには、恐ろしい量の砂糖が入っています。こんなにも砂糖を取って、私たちの体は大丈夫なのでしょうか?
当然、砂糖の取り過ぎには様々な害があります。今度はその害について、見ていきましょう!
砂糖を取り過ぎることの問題
ここまで見てきた通り、ジュースや清涼飲料水には、炭水化物が大量に入っています。特に清涼飲料水には、でんぷんなどの多糖類は含まれていないので、「炭水化物の量≒砂糖の量」と考えられます。
コーヒーや紅茶を飲む時にスティックシュガーを1本入れれば結構な甘さなのに、上で紹介した某炭酸飲料にはスティックシュガー19本分の砂糖が入ってるわけです。恐ろしくて、今後飲むことができませんよね…。
砂糖の取り過ぎは、単にカロリーの取り過ぎで肥満になるというだけではありません。砂糖をエネルギーとして燃やすためには、ビタミンB1が必要なため、砂糖の取り過ぎはビタミンB1を大量消費してしまうことになります。ビタミンB1が不足すると次のような症状がでます。
- 疲労感
- 手足のむくみ
- 便秘
- 集中力低下
- 気分が落ち込む
- 協調性の低下
砂糖の取り過ぎは心の状態にも悪影響を与えるので、取り過ぎには注意が必要です!
それにしても、スティックシュガー19本分の砂糖が入っていたら、甘すぎて飲めそうにないですが、なぜゴクゴク飲めちゃうのでしょうか?
そんなに砂糖が入ってるのに甘すぎないのはなぜ?
これらの飲み物には、これほどまでに砂糖が入っているにもかかわらず、それほど強く甘さを感じないのは、なぜなのでしょうか?
理由は2つです。
- 味の抑制効果
- 温度による感じ方
順番に解説していきますね!
味の抑制効果
味の抑制効果とは2種類以上の異なる味があると、片方の味を感じにくくなる現象のことです。
ジュースの場合、酸味と甘味の2種類の味があります。この両方が存在する場合、甘味の方を弱く感じてしまうのです。果汁100%のオレンジジュースは結構、酸っぱいものですが、実はかなりの糖分が含まれています。
ジュースや清涼飲料水では、酸っぱさに負けないくらい、甘さがしっかりと感じられるように、砂糖をたくさん入れる必要があるのです。
このような舌の錯覚についてはこちらの記事に詳しく書いているので、良ければご覧ください!
⇒ スイカに塩をかけると甘い理由!舌は意外と味オンチ!?
温度による感じ方
甘味の感じ方は温度によっても変わってきます。
砂糖の甘さは高温では強く感じますが、低温ではあまり甘く感じないのです。
ジュースや清涼飲料水は冷たくして飲むものです。そのため、十分な甘さを感じるためには、これほどまでの量の砂糖を入れる必要があるのです。
このように大量の砂糖が入っている清涼飲料水ですが、最近ではカロリーゼロの商品も販売されています。これらの商品はなぜこんなに甘いのにカロリーゼロなのでしょうか?
糖には様々な種類がある
感じる甘さは同じでも、カロリーに違いがあるのは、使われている砂糖の種類に秘密があります。一言で糖といっても様々な種類があります。そして、その種類ごとに性質が異なるのです。
糖には次のような性質があります。
【糖分の3つの性質】
- 甘さ
- 血糖値の上昇速度
- カロリー
一言で糖といっても、これら3つの性質が微妙に異なるのです。順番に説明しますね!
甘さ
人間の味覚が感じる甘味の強さです。糖によって、人間が感じる甘味の強さは異なっています。同じカロリーでも糖の種類が違えば、甘味の強弱は異なります。また、既に説明した通り、温度によっても甘味の強さが異なります。
血糖値の上昇速度
糖を摂取すると血糖値が上がります。血糖値の急激な上昇は肥満や糖尿病の原因になるため、血糖値の上昇速度は低い方が良いです。血糖値の上昇速度はGI値と言いますが、どの種類の糖でもGI値は高いです。
カロリー
糖の種類が違えばカロリーも違います。同じ甘さならばカロリーの低い糖分の方が、良いに決まってますよね(^_^;)
代表的な糖や甘味料の特徴
それでは、糖にはどんなものがあるのでしょうか?実は糖というのは無数にありますが、ここでは実際に私たちが日常的に摂取している糖や人工甘味料に絞って、その特徴を紹介します。
- ブドウ糖
- 果糖
- 麦芽糖
- ショ糖
- キシリトール
- スクラロース
血糖値の上昇速度が最も速い糖です!GI値はブドウ糖の血糖値上昇速度を100としています。体が最も燃焼させやすい糖分で、脳はブドウ糖をエネルギー源にして働いているので、不足すると集中力が低下してしまいます。清涼飲料水に多く使われている糖です。
元々甘みが強く、特に低温の時に最も甘く感じるため、清涼飲料水に多く使われている糖です。血糖値の上昇速度もとても速いです。
炭水化物を食べた時に唾液や膵臓から分泌されるアミラーゼという消化酵素によって、生成される糖です。普通の食生活であれば、人間が最も多く摂取している糖といえます。最終的には体内の酵素によって、ブドウ糖になって利用されます。
最も一般的な糖分。砂糖といえばこれを指します。体内ですぐにブドウ糖と果糖に分解されるため、甘みも強く、血糖値の上昇速度も速いです!そして、口の中の雑菌はショ糖を餌にして増殖していくため、虫歯の原因になります。カロリーも高いため、取り過ぎると害も多い糖です。
ショ糖と比較して、4割程度カロリーが低いのに、甘さは同じくらいです。また、口の中の雑菌はキシリトールを餌にすることができないので、虫歯のリスクがない糖です。しかし、わずかながらの下剤効果があるため、お腹が緩くなる人もいます。
代表的な人工甘味料です。なんとショ糖の600倍の甘さです、更に人間の体はスクラロースを吸収することができないので、カロリーはゼロです!しかしながら、138℃以上に熱すると塩素ガスを出すなど、有毒性を指摘する専門家も多いです。
まとめ
今回は、ジュースに含まれる砂糖の量を計算する方法をお伝えしました。「炭水化物の量≒砂糖の量」という単純な計算方法で、それだけに衝撃的でした。
私はこの記事を書くために仕方なく、某炭酸飲料を買いました。でも、あまりの砂糖の量の多さに恐れを感じてしまい、時間をかけてちょっとずつ飲んでいたんですが、すぐに炭酸が抜けてただの甘い水になってしまいました(古いギャグですね)。
ジュースや清涼飲料水はカロリーもそうですが、血糖値の上昇速度もものすごく速い、体にとって危険な飲み物なので、皆さんほどほどにしてくださいね!
果糖はものすごい太りやすいですが、グルコーススパイクなどの高血糖による血管へのダメージは無いそうです。害があることには変わりありませんが……。
とおりすがりさん
コメントありがとうございます。
グルコーススパイクについてはもう少し調べてみますね!
教えてくださりありがとうございます。
炭水化物がすべて糖質ではないので、炭水化物の含有量を砂糖の入っている量とするのは誤りです。計算方法が簡単だからといって、それが不正確なデータではミスリードにつながります。
Vincentさん
ご指摘のコメントありがとうございます。
仰る通りですね。誤解を招く内容で申し訳ありませんでした。
“炭水化物”には、食物繊維なども含むことなど、少し内容を直しておきました。
この夏を通して水分補給にはソルティライチの5倍濃縮タイプを使いました。そこで気になるのが糖分は大丈夫か?と言うことです。ポカリスエットでも相当量のグラニュー糖が使われてると聞きますが経口補水液として大丈夫なのでしょうか?糖尿になる心配はないのでしょうか?知りたいです。
棗田さん
コメントありがとうございます。
> 経口補水液として大丈夫なのでしょうか?
経口補水液というのは、体液の成分や浸透圧などを考慮した、水分補給に特化した飲み物です。
当然、ソルティライチはそのような目的で作られた飲み物ではないので、経口補水液代わりにはならないと思います。
ちなみにWHOは、糖類の取り過ぎによる健康リスクを抑えるための、ガイドラインを作っています。
これによると平均的な体形の成人の場合、1日あたりの糖分摂取量を25g以下に、抑えるべきとされています。
ソルティライチの場合、100mlあたりの炭水化物量は8.4gなので、300ml飲んだ時点で、この基準を超えてしまいますね。
ただし、私は腎臓の専門家でも何でもないので、当然、糖尿病のことも専門外です。
詳しくはやはり、お医者様に相談なさるべきかと思います。