日本では地震が起きると、すぐにニュースが速報が流れます。昔から地震の多い日本では、地震によってたくさんの被害を受けてきました。
そんな、地震の多い日本では地震が発生するたびにニュースで震度とマグニチュードの事を伝えてくれます。しかし、このマグニチュードと震度ってそれぞれ何を表しているのでしょうか?
いまいちピンとこないという方も多いと思います。
そこで、今回は知っているようで良く知らない、マグニチュードと震度の違いと関係を図と表で分かりやすく解説します!子供にも解説しやすくしているので是非ご覧ください!
目次
マグニチュードと震度
マグニチュードと震度って、なんとなく自身の大きさを表していることは分かりますが、ハッキリとした違いはなかなか理解するのって難しいですよね!
まずはマグニチュードと震度がそれぞれ何を表すかについて見ていきます!
マグニチュードとは?
マグニチュードは発生した地震のエネルギー量を表します。つまり、その地震全体の大きさというわけです。でも、一言でマグニチュードって言われてもピンときませんよね?
マグニチュードの大きさをイメージしやすいように例えるなら、広島に落とされた原爆のエネルギーはマグニチュードに換算すると、5.5と言われています。日本であれば、マグニチュード5.5くらいの地震は、しばしば起きていますよね。地震がどれほどの破壊力を持っているかが、ここからも想像できると思います。
ちなみに今のところマグニチュードを直接測定することは不可能なので、各地の震度計で計測した震度を元に震源を特定して、マグニチュードを算出しています。
そして、マグニチュードの数字が1増えると地震のエネルギーの大きさは32倍に、2増えるとなんと1000倍になります!
つまりマグニチュード7の地震はマグニチュード6の地震の32個分、マグニチュード8の地震はマグニチュード6の地震の1000個分のエネルギーということです。
ちなみに2011年に起きた東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の時の地震はマグニチュード9.0でした。大きな被害をもたらした地震として、私たちの記憶に新しい熊本地震でさえマグニチュード7.3でした。東北地方太平洋沖地震がいかに巨大な地震だったかが分かると思います。
参考までに過去に世界で起きたマグニチュード8.5以上の巨大地震を表にしておきます。
地震名 | 震源地 | マグニチュード |
---|---|---|
チリ地震(1960年) | チリ中部近海 | 9.5 |
スマトラ島沖地震(2004年) | スマトラ島北西沖 | 9.1~9.3 |
アラスカ地震(1964年) | アラスカ州南西部 | 9.2 |
東北地方太平洋沖地震(2011年) | 太平洋三陸沖 | 9.0 |
カムチャツカ地震(1952年) | カムチャツカ半島沖 | 9.0 |
チリ地震(2010年) | チリ中部沿岸 | 8.8 |
明治三陸地震(1896年) | 岩手県三陸沖 | 8.5 |
震度とは?
震度とは地震の揺れの大きさのことを指します。気象庁が全国各地に置いている震度計という計測器を使って、揺れの大きさを計測した数値なので、その場所の正確な揺れの大きさのデータを得ることができます。
つまり、震度とは人が実際に感じる揺れの強さや建物などに与える被害に直接関係してくる数字なのです。
通常震度は10段階で表されます。
震度と揺れの強さを表にしてみました。
震度 | 揺れ方 |
---|---|
震度0 | 人には感じられない強さの揺れ |
震度1 | 屋内で静かにしている人の中には、気付く人もいる |
震度2 | 屋内で静かにしている人なら、気付く揺れ |
震度3 | 屋内にいるほとんどの人が気付く揺れ |
震度4 | 電灯などが大きく揺れ、バランスの悪い置物が倒れる |
震度5弱 | 人が恐怖を感じ、食器や本が倒れたり落ちたりする。固定してない家具が倒れることもある |
震度5強 | 何かにつかまらないと歩けない。食器や本、家具などが倒れる可能性が更に高くなる。弱いブロック塀などは倒れる危険がある |
震度6弱 | 歩くことは困難。固定してない家具は動き倒れる可能性もある。耐震性の低い建物は損壊することがある。 |
震度6強 | 這うしかできない。固定してない家具は倒れ、耐震性の低い建物は損壊する。地すべりや地割れが起きることもある |
震度7 | 耐震性の低い建物は倒壊し、耐震性の高い建物でも損壊する可能性がある。地すべりや地割れが起きる可能性が更に高まる |
震度とは、実際にその場所にいる人が感じた揺れの大きさです。マグニチュードが小さくても震源地に近ければ、震度は大きいことがあります。また、逆に震源地から遠くてもマグニチュードが大きければ、震度が大きいことがあります。
それを分かりやすく図にするとこんな感じです。(両方ともクリックすると拡大します)
マグニチュード7の巨大地震でも震源地から距離があると、震度が下がっていきます。そのため、マグニチュード5の地震の最も内側の円の場所とマグニチュード7の地震の内側から2番目の場所の震度が同じなわけです。(あくまでもイメージなので実際の震度がこのようになるわけじゃないのでご注意ください。)
というわけで、以上がマグニチュードと震度の説明になります。
しかし、それでもまだ難しくて、よく分からない人もいるかもしれません。そこで、今度はマグニチュードと震度の関係をより分かりやすく説明していきます。
マグニチュードと震度の関係
マグニチュードと震度の関係と言っても、難しいですよね?そこで、ここでは、地震をオーディオ機器とそこから出る音に例えて説明していきます。
震度は音の大きさ
震度は揺れの大きさと説明しましたが、これはオーディオ機器から出る音に例えると分かり易いです。音はスピーカーから近ければ大きく感じますが、離れるにつれて音は小さく感じるようになります。
更に固い壁などが間にあれば、音波が吸収されて、もっと音は小さくなります。
地震も同じように震源から離れれば離れるほど震度は低くなって行きますし、地層の硬さによって揺れの波が伝わり易さが違うので、揺れの波が伝わりにくい場所では震度も小さくなります。
マグニチュードは音のボリューム
一方でマグニチュードは、オーディオのボリュームと考えると理解し易いです。ボリュームが大きければスピーカーから出る音のエネルギーは大きくなるため、遠くまで音が届きます。
地震も同じようにマグニチュードが大きいと遠くまで大きい揺れが広がります。東日本大震災の時は太平洋沖が震源だったにもかかわらず、震度7を計測した地点がありました。マグニチュードが大きければ遠くでも、激しい揺れになるわけです。
まとめ
今回は震度とマグニチュードの関係についてお伝えしました。日本は地震災害の多い国です。世界中で起きるマグニチュード6以上の地震の内の2割はなんと日本で起きているそうです!
外国からくる私の友人の中には、日本で初めて地震を経験して、ビビりまくっている人もいました。
そんな地震のマグニチュードと震度の違いをもう一度おさらいするとこうなります。
- 震度
- マグニチュード
その地点で感じる揺れの大きさ、震源地からの距離は同じでも、マグニチュードが違えば、震度は違う。
地震全体のエネルギーの強さ、つまり地震の規模のこと。マグニチュードの数字が1違うだけで、地震のエネルギーは32倍も違う。
私たちの生活にとってより重要なのは震度かもしれません。実際に震度5強以上の地震が起きる可能性のある地域には、緊急地震速報が流れる仕組みになっています。
もし、緊急地震速報を受信したら、すぐに身の安全を確保してください!
普段から地震の多い国に住んでいるので、地震には充分に注意してくださいね。
でも、本当は地震は大きな被害をもたらすとても怖い災害なので、こんな知識が役に立たない方が良いですけどね。