日本語って間違いやすい言葉がよくありますよね。
役不足もそんな言葉の一つです。私も長年、力不足と同じ意味で、ずっと使ってきました。
でも、本当はそんな意味じゃないんですよ!
「えっ?どういうこと?」って思った人は、もしかすると赤っ恥をかいてるかもしれませんよ!
というわけで、今回は役不足の正しい意味や力不足との違いを解説します。
目次
役不足と力不足の意味
早速、役不足の意味から見ていきましょう。
まずは多くの人がやってしまっている役不足の誤用の例から見ていきましょう。
役不足の誤用例
私たちが役不足という言葉を使う時はよくこのような使い方をするのではないでしょうか?
- 「こんな大きな仕事は、私では役不足です。他の人に任せた方が良いですよ!」
- 「このような大役は私では役不足です。うまくいくわけないです」
- 「この仕事を彼に任せるには役不足ですよ」
実は、この場合の役不足の意味は力不足と同じ意味として使ってしまっています。実はこれが間違いなのです。
では、役不足と力不足の意味って何が違うのでしょうか?
役不足と力不足の意味
実は役不足と力不足の意味は、それぞれこうです。
その人の力量や技量に比べて、役割や責任が軽すぎる事
与えられた役割や責任を果たす力が足りない事
役不足では、不足しているのは“役”の方です。一方で力不足の方は、不足しているのは“力”です。
それぞれの単語で使われている言葉の意味を考えると、ちゃんと違いが理解できるはずなんですけどね。でも、実際には年々役不足を誤用する人の率が増え続けているのだそうです。
正しい使い方をしても、相手に意味が通じないんじゃ意味が無いですよね…。
というわけで、次は役不足の正しい使い方を見ていきましょう。
役不足の正しい使い方
役不足の意味が分かったところで、今度は正しい使い方を見ていきましょう。
正しい使い方をしたことがないと、違和感のある文章ばかりだと思いますよ^^;
役不足を使った文章の例
役不足の正しい意味は、既に説明した通り、本来のその人の力量よりも低い仕事などを与えられることを指します。
また、そういった簡単な仕事や役割しか与えられないことを表す時に使う言葉です。
つまり、正しい使い方はこんな感じです。
- 「こんな仕事は私には役不足です。もっと大きな仕事をください」
- 「この役は彼には役不足です。もっと大役を与えた方が良いですよ!」
- 「今の仕事は役不足だから、もっと大きな仕事をしたいなぁ」
自分に対して使う場合は、今の境遇に対する不満を表現するために使うわけです。
そのため、力不足の意味と勘違いして「この仕事は、私では役不足です」なんて言ってしまうと「こんな仕事では自分には不足です」とか「こんな仕事はちょろいもんです」といった意味になってしまいます。
知らないで使っていると、実はとても傲慢な意味になってしまうんですね~(>_<)
役不足の言葉の由来
そんな役不足の由来はどこからきているのでしょうか?
役不足は、歌舞伎役者が力量より低い役を与えられてしまうことからきています。
配役というのは、ちゃんとその役者の力量に合わせたものになるわけです。
よくサスペンスドラマを見ていると序盤で、大物俳優が明らかに役不足な端役を演じていることがあります。その場合は大抵、その大物俳優が犯人だったりします…。
せっかく良いストーリーなのに配役でバレバレというのはいただけないですよね(^_^;)
まとめ
今回は“役不足”と”力不足”の意味の違いや正しい使い方を紹介しました。
役不足はその人に与えられた役の方が、不足していることを表しています。
それに対して、力不足はその人の力の方が不足していることを表しています。
間違った使い方をすると、とんでもなく傲慢な意味になってしまうのが、役不足です。
皆さんも十分注意して、正しい使い方をしてみてくださいね!