ビールと生ビールの違い!一体何が違うのか徹底解説!

ある日、友人達との飲み会で、居酒屋に行きました。まずはビールだろうということで、友人たちがビールを頼んでいたのですが、その時にあるに気付きました。

ビールを頼む時に「生ビール!」とか、単に「生!」と頼むと、必ずジョッキに入ったビールが来るんです。

生ビールってジョッキビールの事を指すんでしたっけ…?瓶や缶に入っている状態でなく、既にジョッキに注がれている状態のことを”生”って表現するからなのでしょうか?

とても気になった私は生ビールの定義について調べてみたところ、面白いことが分かりました!

というわけで、ここではビールと生ビールの違いについてお伝えします。

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目次

ビールの作り方

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ビールと生ビールの違いを知るためには、まずはビールの製造方法を理解する必要があります

というわけで、まずはビールの製法を軽く説明します。

  1. 麦芽を砕く
  2. 原料には発芽して糖分が増えた大麦麦芽を細かく砕いたものを使います。

  3. 温水の中で糖度を上げる
  4. 砕いた麦芽に温水を混ぜます。こうすることで、麦芽の酵素が働きでんぷんが糖分に変化します。

  5. 煮沸して殺菌し、煮詰める
  6. 煮沸して余計な細菌を殺し、少し煮詰めます。これによって麦汁が濃くなり、余計な雑味などが取り除かれます。

  7. 冷まして酵母を入れて発酵させる
  8. 麦汁を冷ましたら、ビール酵母を入れて発酵させます。


ビールの基本的な作り方は、こんな感じです。一言でビールと言っても様々な種類がありますが、発酵や熟成の期間の違いだけです。

じゃあ、ビールと生ビールの差はいったいなんなのでしょうか?

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元々の生ビール

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ビールに限らす、お酒は酵母菌の発酵によって作られます。酵母菌は生きているため、放っておくと完成した後でも、発酵が進んでいくため、どんどん風味が変わっていってしまいます

つまり、酵母菌を放っておくと賞味期限が短くなってしまうのです。賞味期限を長くするためには、酵母菌を取り除く必要があります。

そのための最も手っ取り早い方法が60℃前後に加熱して、酵母菌を殺菌してしまうことです。このように昔のビールは、賞味期限を長くするために、酵母菌を加熱殺菌しているものが一般的でした。

しかし、加熱してしまうと風味が損なわれてしまう欠点があります。

そこで、加熱殺菌していない風味豊かなビールとして差別化された、生ビールが生まれたのです!

ただし、賞味期限が短いので、物流が未発達の昔は、工場周辺でしか出回っていませんでした。なんとか賞味期限の長い生ビールが作れないものか、色々と試行錯誤した結果、画期的な技術が開発されました。

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現在の生ビールの定義

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生ビールは工場周辺のビアガーデンや冷蔵庫を備えたお店でしか取り扱うことができませんでした。しかし、1967年にサントリーが細菌を取り除くことができるフィルタを使い、無菌化した工場でパッケージする技術を開発しました。

これにより、加熱殺菌しない生ビールが誕生したのです!

ただし、「酵母を取り除いてしまったら生ビールとは呼べない!」という意見も根強く、しばらくは議論が続きました。しかし、1979年に公正取引委員会が“生ビール”と”ドラフトビール”の定義を「加熱殺菌していないビール」と定めたことで、議論は決着したのです。

というわけで、現在のビールはほとんど生ビールと言っても過言ではありません。今や「ビール≒生ビール」という状態なのです。

加熱殺菌したビールもまた味わいがあるため、わざわざ加熱しているものもありますが、それもごく一部です。

また、最近では地ビールも盛んに作られていて、その中には酵母菌が取り除かれていないものもあります。そういった銘柄のビールは保冷剤を入れて運んで、すぐに冷蔵庫に入れる必要があるので注意が必要です。

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まとめ

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ビールと生ビールの違いは時代と共に変わりました。

現在では次のように分類できます。

【ビールの違い】
加熱処理の有無 濾過の有無 賞味期限 保存方法 呼び方
× 常温可 ビール
× 常温可 ビール、生ビール
× × 要冷蔵 生ビール

呼び方で区別できないためややこしいですが、加熱殺菌してないものはパッケージに「非熱処理」といった表示が義務付けられています。

また、酵母菌が取り除かれていない銘柄の場合は保存方法が「要冷蔵」になっているため、そこで見分けることができます。

まぁ、確実に言えることは、「生ビール」はジョッキビールの事を指しているわけではないという事ですね…。

飲み会なんかでうんちくを語れるかもしれませんね^^