緑茶とほうじ茶の違い!製法から成分まで徹底解説!

日本茶の代表格と言えば緑茶ですね。食後や仕事中に一服したい時などに、緑茶を飲む人も多いと思います。一方で茶色をしたほうじ茶も日本では良く飲まれます。ほうじ茶は食事の時などに良く飲まれる、クセのない飲みやすいお茶ですね。

私にとっては、ほうじ茶は旅館などで良く出されるイメージがあるので、ほうじ茶が出てくるとなぜか旅行気分になるという変なイメージがあります。

昔も今も良く飲まれる緑茶とほうじ茶ですが、その違いは意外に良く知らないことも多いのではないでしょうか?

そこで、緑茶とほうじ茶の違いについて調べてみたので、お伝えしたいと思います!

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目次

緑茶とほうじ茶の違い

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緑茶とほうじ茶の違いには、見た目の色や味や香り以外にも違いがあります。それらも含めて、ここでは次の観点で違いを見ていきたいと思います。

  • 製法
  • 成分
  • 味や香りの特徴


それでは、知ってるようで知らない緑茶とほうじ茶の違いを見ていきましょう!

製法

まずは製法からです。実はほうじ茶も元々は緑茶です。緑茶に少し手を加えたものがほうじ茶なので、まずは緑茶の製法から見ていきたいと思います。

緑茶の製法(荒茶工程)

緑茶には酸化発酵を進める酵素が含まれているため、緑茶の爽やかな風味のためには、茶葉を摘み取ってすぐに下処理を加える必要があります。これを荒茶工程といいます。

【荒茶工程】

  1. 蒸熱
  2. 酸化発酵を進める酵素の働きを止めてしまうため、一番最初に熱を加えて、酵素を不活性化します。

  3. 揉み
  4. 茶葉から水分を抜きつつ、揉んで緑茶の味と香りが抽出されやすい状態にします。この揉みの過程だけでも細かく分かれているため、別の表にしています。

  5. 乾燥
  6. 揉みが終わった後に、長期の貯蔵が効くように熱風で乾燥させます。

お茶を摘み取った後の荒茶の工程だけでも、実に手間をかけています。この表には荒茶工程の中の揉みの工程の概要を表にしました。最初の水分含有量が100%を超えているのは、揉みの工程に入る前の蒸熱の工程で、一旦茶葉が350%程度まで、水分を吸収しているからです。

そして、最終的な水分含有量は、乾燥の工程で5%にまで落とされます。

【揉みの工程】

工程名 概要 目的 水分含有量
葉打ち 乾燥した熱風を送り込んで機械で揉む 色を鮮やかにし、風味を向上させる 250%
粗揉 乾燥した熱風を送り込んで摩擦圧迫して揉む 茶葉を柔らかくする 100%
揉捻 圧力を加えて揉みこみ、茶葉をひと塊にする お茶の成分を抽出しやすくする 100%
中揉 熱風を送り込みながら揉捻で萎縮した茶葉をほぐす さらに乾燥させながら、次の精揉をし易いようにする 35%
精揉 人間が一方向に揉む 茶葉独特の細長い形に成型する 13%

緑茶の製法(仕上げ)

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ここまでの荒茶の工程は茶葉を摘み取った後に、茶畑のそばですぐに行われます。その後各地のお茶の卸売業者によって、流通し消費者の元に販売される前に仕上げの工程を経て、最終的に緑茶になります。

その仕上げの工程を見ていきましょう。

【仕上げ工程】

  1. 分別
  2. 荒茶の状態は、部位や形状が全て入り混じっているため、それぞれを分別します。

  3. 火入れ
  4. 消費地の好みに合った香りと味にするため、火を入れて煎じます。

  5. ブレンド
  6. 消費地の好みに合わせるため、部位や茶葉の産地毎に分かれた様々な茶葉をブレンドします。

こうして仕上がった緑茶が私たちの元に届きます。

ほうじ茶の製法

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今度はほうじ茶の製法です。ほうじ茶は緑茶を炮烙と呼ばれる窯で、焙煎して作ります。製法はシンプルです。

【ほうじ茶の製法】

  1. 炮烙に煎茶を入れる
  2. 煎茶や番茶を炮烙という磁器に入れます。少量のほうじ茶を作る場合には懐紙に茶葉を包んで、炭火などの上で熱する場合もある。

  3. 茶葉を揺すりながら炮烙を火にかける
  4. 火が満遍なく通るように、揺すりながら火にかけます。

  5. 茶葉が赤茶色になるまで焙じる
  6. 茶葉が赤茶色になって、香ばしい香りがしてきたら完成。

成分

次は緑茶とほうじ茶の成分についてです。お茶の代表的な成分であるタンニン、カテキン、カフェインの3つを比較してみました。

【緑茶とほうじ茶の成分比較】

成分名 緑茶 ほうじ茶
タンニン
カテキン
カフェイン

ほうじ茶は焙じることによって、これらの成分が壊れるため、全て緑茶よりも少な目です。特にカフェインが少ないことから子供や妊婦、病人にも安心して飲むことができるお茶です。

味の特徴

緑茶には独特の渋みと苦味があります。そして、爽やかな茶葉の香りが特徴です。

一方のほうじ茶は渋みと苦味の原因となるタンニンカテキンが、ほうじ茶では壊されているため、とても飲みやすいのが特徴です。そして、焙じてあるため、香ばしい香りが特徴です。

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どんな人におすすめ?

最後に緑茶とほうじ茶を飲むのに適したシチュエーションや人などをお伝えします!

緑茶

緑茶にはタンニン、カテキン、カフェインなどの緑茶ならではの成分が多く含まれています。そのため、仕事の休憩中や食後など、リラックスして気持ちをリフレッシュしたい時に飲むのがおすすめです。

ほうじ茶

ほうじ茶は逆にタンニン、カテキン、カフェインなどの成分が少なくとても飲みやすいお茶です。特にカフェインは取り過ぎると体にも悪いので、カフェインが少ないほうじ茶は妊婦や病人などに適している飲み物です。

また、子供でも飲みやすいので、水分補給に清涼飲料水の代わりにほうじ茶にすると健康的です。

そういえば、子供の頃に学校の遠足に持っていく水筒の中身はほうじ茶だったなぁ…。

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まとめ

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普段、飲み慣れている緑茶とほうじ茶ですが、色々と違うことが多いのです。緑茶は仕事中に飲むことも多いですが、飲み過ぎるとカフェインの取り過ぎにもなるので、普段の水分補給をほうじ茶に変えるのもとても良いと思います!

また、子供や妊婦がいるような家庭でも緑茶から、やさしいほうじ茶に変えるのもおすすめです。

それぞれの状況に応じて、飲み分けるようにすると更に日本茶を楽しめますよ!