メールを差し上げるは正しい使い方?間違った理解を解消!

私には仕事をしているとしばしば違和感を感じる表現があります。それは「メールを差し上げます」とか「ご連絡を差し上げます」といった言い回しの「差し上げる」という言葉です。

「差し上げる」って上から目線のニュアンスがあるように感じて、個人的には凄く違和感を感じるんです。

皆さんの中にも違和感を覚える人は多いかもしれませんね。

でも、実際にはよく使われている表現です。いったいこの使い方ってどうなんでしょうか?

ビジネスの場面でも使うことが多い表現なので、トラブル防止のためにも、正しい使い方を理解しておきたいですよね?

そこで、今回は「メールを差し上げる」の使い方について考えてみます!

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目次

「メールを差し上げます」は正しい表現なのか?

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「メールを差し上げます」って言われると、なぜか違和感を覚えますよね?これは正しい表現なのか、意味を見ていきましょう!

「差し上げます」は謙譲語

違和感を感じるのは「差し上げます」の部分ですが、この「差し上げます」は「上げる」の謙譲語です。

つまり「メールを差し上げます」は自分をへりくだった表現なので、文法的にはちゃんとした正しい表現なんです。

でも、そういわれても納得できませんよね。現にこれを言われるとなぜか、ちょっと不快に感じちゃいます。いったい、なぜなんでしょうか?

これには、ちゃんとした理由があります。

自然に感じる”差し上げる”

“差し上げる”という言葉は、日常的によく使う言葉ですよね?

普段は、こんな風に使われることが多い、言葉です。

    「ご応募いただいた方の中から抽選で5名様に○○を差し上げます。
    「会場にお越しいただいた方には、特典として○○を差し上げます。
    「お疲れのようですので、車で送って差し上げます。

このような使われ方だと、違和感は無いですよね?

実はこれらに共通するのは、本当は受けることができないはずの利益を、提供してもらっているということです。

つまり、”差し上げる”という言葉のニュアンスには、”プレゼントする”という意味が含まれているということなんです。

そして、”プレゼント”というものは、やっぱり上げる方が立場が上です。ネガティブな言い方をすると、ちょっと恩着せがましく感じる言葉でもあります。

一方で、仕事のメールの場合は、プレゼントなんかじゃありません。仕事なんだから、当然送ってもらうべきものです。

“差し上げる”には、恩着せがましいニュアンスが含まれるため、ちょっとした不快感を覚えるわけです。

しかし、何回も言いますが、元々の差し上げるには、”プレゼント”の意味はありません。ただただ、”上げる”とか”与える”をへりくだって、表現しているだけの言葉です。

でも、実際に使われることが多いのが、”プレゼント”する時が多いことばです。そのため、いつの間にか”プレゼント”の意味が、含まれてしまったわけです。

“差し上げる”に間違いは無いものの、不快に感じる人がいる以上、無理して使わない方が無難です。

では、他にどんな表現を使うのが無難なんでしょうか?

他の表現

要は自然な謙譲語であれば問題ないので、例えばこんな言い方なんていかがでしょうか?

  • 「メールをお送りします。」
  • スッキリ自然な言い回しで、無難な表現だと思います!

  • 「メールを送らせていただきます。」
  • よりへりくだった気持ちが込められていますね!少し過剰な感じもするので、相手を考えて使い分けると良いと思います。

謙譲語には他にも色んなパターンがあるので、こんな感じを参考にして、無難な言葉を選んでみてくださいね!

というわけで、より無難で丁寧な表現ができるように、敬語のことをおさらいしておきましょう!

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敬語の種類

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「差し上げます」という言葉は何かを「上げる」という言葉の敬語なわけです。

しかし、敬語には謙譲語以外にも、丁寧語と尊敬語があります。合わせておさらいしておきましょう!

丁寧語

丁寧語は相手を敬う気持ちを込めて使う言葉です。語尾を“です”“ます”にするのが一般的な丁寧語です。

例えば「今から学校に行く」を丁寧語にすると「今から学校に行きます」となります。

尊敬語

尊敬語は相手に対して尊敬を込めて使う言葉です。相手を持ち上げる感じのニュアンスになります。言葉の頭にを付けるパターンが多いですね。

例えば「部長が待っています」を尊敬語にすると「部長がお待ちになっています」となります。

謙譲語

謙譲語も相手に対して尊敬を込めて使う言葉です。尊敬語との違いはどちらかというと自分をへりくだらせたニュアンスになります。

例えば「これからお宅に行きます」を謙譲語にすると「これからお宅に伺います」となります。

尊敬語と謙譲語の違いはその行動をしているのが自分か相手かによって変わると考えても良いです。

「教授からのお手紙」は相手である教授が手紙を出しているので尊敬語に「教授へのお手紙」は自分が手紙を出しているので、謙譲語になります。

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まとめ

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今回は「メールを差し上げる」という言葉の使い方について調べてお伝えしました。結果的には正しい表現ということが分かりましたが、日本人の中でも賛否両論があることも事実です。

言葉というのはその人にどう伝わるかが一番重要なので、どんな言い回しを使うにせよ、相手に失礼がなく気持ちよくコミュニケーションできることが大切ですよね?

というわけで、私は「メールを差し上げます」はやっぱり使わないことにします!

皆さんも、敬語の使い方をおさらいして、正しい”差し上げる”の使い方をしてみてくださいね!